コレクション: 美濃手すき和紙 さらさ 家田美奈子

目立たないが凛として気品があり、強さを感じさせるところが好き。

高校・大学と美術系に進み、日本画を描いていた。分厚い越前和紙を使うことが多かったが、ある時、模写の授業で薄美濃を使った時、その美しさに取り付かれた。どんなふうに作られているのか興味を持ち、美濃市に来て「美濃・手すき和紙基礎スクール」を受講。「和紙づくりを仕事にしたい」と思うようになった。

卒業後は本美濃紙保存会会長の澤村正氏に弟子入りし、4年間の修業の後、独立。今では本美濃紙保存会会員となり、本美濃紙や薄美濃紙を中心に漉く。「素材としての和紙は主張しません。でも凛として気品があり、強さが感じられるところがとても好きです」。

その後結婚し、3児の母となった。子育てに忙しく、下の子どもを保育園に入れてからは少し自分の時間がとれるようになり、紙漉き業も再開している。「今後は紙づくりに専念し、後継者育成にも力を入れていきたいと思っている」。

控え目だが芯の強さを感じさせる人柄は美濃和紙そのものだ